ピアノ発表会の効用と緊張について
ピアノ発表会(ここでは弾きあい会など人前で演奏披露する機会を総称しています)の良い効果について
①1曲に普段よりじっくりと向き合い完成させることができる。
②目標をもって達成する充実感を味わえる
③人前で演奏する緊張感を活用して上達することができる
④他の方の演奏に刺激を受けたり励みにすることができる
こういった良い効果があります。
上の①~③について解説します。
①1曲に普段よりじっくりと向き合い完成させることができる。
本番の1回が上手くいったかどうかも大事ですが、それよりも、そこまでの過程で、いつもよりもじっくりと腰を据えて取り組んだ中で得られることが大切です。
●練習方法の幅が広がる。(新しい練習方法を発見する)
●いつもより長期で取り組むと、その間に変化するコンディションがあることに気づく。
●期日に完成を合わせる(ピークのもっていきかたの)経験ができる。
最低でもそれらのことは得られると思います。
②目標をもって達成する充実感を味わえる
発表会の本番は1回限り。
皆が一同に会するその日に合わせて、良い状態に整えていきます。
普段とは違った心境になることを前提にした準備が必要です。
これらを乗り越えられたときの充実感は格別です。
③人前で演奏する緊張感を活用して上達することができる
人前の演奏で、
「わたしは特に緊張しない」
というお声はあまり聞きません。
子供さんたちはまた違うのでしょうが・・・
緊張がすべて悪いわけではないです。
過度な緊張は避けたいですが、全く緊張しないのもどうか!?と。
普段のレッスンでもそうですが、自分なりにできるところまで練習をしてそれを聴いてもらう場合、多少は緊張するのではないでしょうか?
「自分の表現を聴いていただく。」
普段のレッスンでも同じですが、その姿勢が良い緊張感に繋がります。
よく混同されがちなのですが・・・
緊張しないことと緊張感がないことは違うということです。
緊張感のある中で、いかに良いパフォーマンスができるか。
そこに挑戦することに意味があると思います。
緊張感がない中で普段通りにできても、その本番を経て得れるものはあまりありません。
良い緊張感をもって人前での演奏という本番を乗り越えることができれば、得難い体験となりピアノとの関わりがワンランクアップすること間違いなしです。
以前カルチャーセンターの教室内おさらい会をしたときのこと。
私から見てとても平常心で弾けている方がおられました。
練習どおりに演奏できました。
しかしその方にご感想をお聞きすると、
あまり納得のいかないお顏でした。
「今日は良い緊張感がなかった」と。
その方はこれまでに、良い緊張感をもって臨み、
それを乗り越えたときにしかできない、
良い演奏をされた体験がおありだったのでしょう。
教室の皆さまがそんな良い体験ができますように。